「じっとしていると、長生きできない」
海外にはそんな研修報告まであるそうです。
今、ひそかな話題になっている「座りっぱなし症候群」。
これによって、肩こりや腰痛、足の浮腫みを引き起こすだけでなく、あなたの命を縮める危険も…
そんな座りっぱなし症候群について、今知っておきたい情報をまとめました。
普段、デスクワークで長時間座っている人は、要チェックです!
座りっぱなしが寿命を縮める!?
座りっぱなしでいることが死に繋がる症候群
セデンスタリー・デス・シンドローム。これを直訳すると「座りっぱなしでいることが死に繋がる症候群」。アメリカでは、2002年に運動不足であることが健康に及ぼす悪影響を、こう名付けました。
日本では、長時間のデスクワークはもはや当たり前ですよね。
座りっぱなしで脚がむくむ、腰痛になる…私達にとってはそれくらいの認識ですが、アメリカでは、かなり深刻な問題として受け止めています。
例えば、座っている時間が長いほど、生活習慣病の発症率や死亡リスクが高まる、という研究報告まで。
タバコ1本吸うよりも、1時間座りっぱなしでテレビを見ているほうが寿命を縮めるなんて内容もあります。
座りっぱなしが病気に繋がる原因
長時間座っていることそのものが、寿命にかかわるというよりも、それによって引き起こされる疾患に恐ろしさが潜んでいます。座りっぱなしでいることは、上記のように足のむくみや腰痛の原因にもなりますし、何より運動不足を引き起こします。
運動不足は様々な疾患の原因になるのは、ご存知の通り。
運動不足によって生じる疾患は、軽いものから命にかかわるものまで様々です。
- 生活習慣病の発症や進行
- 内臓脂肪型肥満
- 体内の糖やコレステロールの代謝異常
- 動脈硬化
- 心疾患
- 脳血管疾患
よく動く人ほど死亡リスクが下がる?
座りっぱなしで居ることと、寿命の因果関係を調べた研究報告は、残念ながら日本にはまだありません。ですが、よく動く人ほど、死亡リスクやがんにかかるリスクが下がっていることが、国立がん研究センターによって解明されました。
1日の活動量が多い人ほど、死亡リスクとがんにかかるリスクが下がる
(出典:国立がん医療センター)
男性の場合
- 死亡のリスク 0.73倍 がんのリスク
- がん全体 0.87倍
- 結腸がん 0.57倍
- 肝がん 0.62倍
- 膵がん 0.55倍
- がん死亡 0.80倍
女性の場合
- 死亡のリスク 0.61倍 がんのリスク
- がん全体 0.84倍
- 胃がん 0.63倍
- がん死亡 0.69倍 ※このほか、積極的に運動している人では乳がんリスクも低下
予防法はこうする!
座りっぱなしによる健康被害を避けるには、体を動かすのが一番の得策。
でも、実際に何をしたら…と思いますよね。
こういった簡単な動きでも、座りっぱなし症候群を予防できます!
- 1~2時間ごとに席を立って歩く。 ただ歩くだけでも、全身の血流がよくなります
- ふくらはぎの筋肉を使う。 階段を上ったり、かかと上げ運動を行うなどが効果的です。
- できるだけ脚を動かす。 膝を曲げたり伸ばしたり、ブラブラ~と揺らしたりして、血行を良くします。
- 温かいお茶を飲んで体を温める
こういったことを続けるだけでも、足のむくみや身体のだるさが改善されるはず。
生活習慣病は簡単に予防できる!
厚生労働省が発表したガイドラインによると、生活習慣病のリスクを下げる方法はとても簡単なのだとか。それは「一日10分、今よりも長く歩く」など、とても短い時間でも構わないので、日々積み重ねることが生活習慣病の予防に繋がるということです。
たとえば、1駅分歩いてみる。
エレベーターやエスカレーターを使わず、階段を使う。
自宅でテレビを見ながら、ストレッチや簡単な体操をしてみる。
どれも今日から始められそうな、簡単なことばかりですよね。
仕事上、どうしてもデスクワークは避けられません。
そういった人ほど、普段の生活で、無理なくできそうなことから始めてみるのが、長続きのポイントです。
少しずつ、取り入れられる対策をして、健康を守りましょう!